転職エージェントの断り方 ―希望通りの転職をするためにすべきこと―

スーツの女性

転職活動を効果的に進めるためには、転職エージェントを活用することは必須であると言えるでしょう。

選考を希望する企業のピックアップであったり、面接の日程等の調節など、

様々な側面から細やかなサポートをしてもらえる、これらのエージェントは非常に便利なものです。

しかしながら、時には提示された内容が自分には合わないと感じたり、転職活動自体を辞めることになったために、

エージェントからのサポートを断る必要が出てくる場合もあるでしょう。

そのときに長く悩むことなくサクッと断る勇気、それは転職活動を自分の思い通りに進めるためにも、とても大切なものであると言えます。

今回は、転職エージェントに対して断りを入れる必要がでるシチュエーションがどのようなものか、

そして、それぞれの場合にどのような断り方をすればいいかを5つほど例を上げて説明していきたいと思います。

①書類選考の段階で断りたい時

エージェントから案件を紹介されて一度は自分も納得したけれど、やっぱり自分には合わなそう。

あまりのエージェントの強引さに、思わず受けると言ってしまったけれども、自分は最初から興味なかった。

書類選考を断る理由には様々あると思われます。

このような場合は、エージェントの方に以下のようなメールを入れましょう。

〇〇株式会社△△様

いつもお世話になっております、□□です。
日頃から手厚いサポートをして頂き、誠にありがとうございます。

先日書類選考を進めていただきました株式会社✗✗ですが、大変恐縮ではございますが、選考を辞退させて頂きたく存じます。

待遇や条件など大変悩みながら考慮し、このような結論となってしまったこと、大変申し訳ございません。

△△様にはお手間だけを取らせてしまったことについて、
深くお詫びを申し上げます。

上記、何卒よろしくお願い申し上げます。

ー署名ー

一度受け入れたものを、断るということはあまりいいことではありません。

もしかしたら、案件を紹介してもらったその時は、エージェントとの関係を気まずいものにしたくない、

せっかく見つけてくれたのだから断るのは悪い、そう感じていたのかもしれません。

しかしながら、一度受けたものを後々になって断ってしまっては、そちらのほうがエージェントとしては、せっかく紹介したのに、と思ってしまいます。

また、いかなる理由であろうとも、このようなキャンセルを続けてしまっては、いずれ紹介を受けられなくなってしまう可能性も出てきます。

だからこそ、少し気まずかったとしても、最初から興味のないもの、これは自分には合わないと思ったものに対しては、

最初からはっきり断る気持ちを持ちましょう。

そうしたほうが、自分の希望を守るためにも、またエージェントに無駄な手間を取らせないためにも、いいことだといえるでしょう。

②一次面接を辞退したい時

書類選考が通ったものの、一次面接を前にしてやはり自分にはあってない気がしてきた。

他で同時に進めていた選考が通過し、希望する転職先に内定を貰った。

だから一次面接を辞退したい。

どのような理由であろうとも一次面接を辞退したい旨を

担当エージェントに伝えた際、かなりの確率で「一次だけでも受けてください。」と言われるでしょう。

それにはれっきとした理由があります。

転職エージェントとしては、書類選考だけ通して面接は辞退する希望者を企業側に紹介するということは不都合なことです。

実際にそのようなことが起きてしまった場合、企業側から今後案件をもらえないなどのペナルティを受ける可能性さえ有るのです。

だからこそ、一次面接を受けずに辞退しようとすると、強く止められることになるのです。

本来なら、あなた自身が「自分には向いてない」と思った場合、エージェントに何を言われても断るべきです。

しかしながら、一次面接に関してだけは、嫌でも受けるだけ受けに行くことをおすすめします。

まだ一次面接だし、行きたくないから、そのような理由で面接当日に不参加を決め込むことだけは絶対に辞めましょう。

もちろん転職エージェントと企業両者のスタッフに迷惑をかけてしまうから、ということもありますが、

この先のあなた自身が一番不利益を被ってしまうことになるからです。

よく考えてみてください。もし、一次面接に参加しなかったのならば、面接をドタキャンをする迷惑な登録者、

として最悪、この先サポートを一切してもらえないという可能性が非常に高くなってしまいます。

だからこそ、たとえ気の向かないものであっても、一次面接だけは、あなた自身のこれから先の転職活動のためにも、

辞退せず参加することをおすすめします。

③二次・最終面接を辞退したい

しないに越したことはありませんが、一次面接を辞退するよりも、二次面接や最終面接を辞退するときのほうがまだハードルが低いと言えるでしょう。

なぜなら一度は転職希望者と企業側が顔を合わせているため、

「面接をしている間に、自分にはあまり合わないのではないかな?と感じたのでは?」と

面接希望者の意志の変化が起きた理由を推察することができるからです。

この二次面接などの辞退を申し出る場合は

  • なるべく決断したら早めに伝える
  • メールだけでなく、できれば電話でも申し出る

ということに注意して、転職エージェントの担当者に意志を伝えましょう。

この際、もちろん申し訳ないと思う気持ちが伝わるように言うことが大事ですが、

しかしながら、選考に進みたくない理由を隠し立てする必要は全くありません。

一次面接をした際に、どのように感じたから自分には合わないと思ったのか、その理由をはっきりと担当者に伝えましょう。

企業の方へは、エージェント側が、あなたが言った理由をオブラートに包んで伝えてくれます。

一番やるべきでないのは、エージェントに、本心を伝えないことです。

なぜなら、担当者に申し訳ないから、という理由で面接に進みたくない本当の理由をはっきり伝えないと、

「選考に進む気もないのに、申し込んでくる迷惑な人」として、きちんとした対応をしてもらえなくなる可能性があるからです。

だからこそ、エージェントにはしっかりと理由を伝えましょう。

以下に辞退の旨を伝える際のメールの例を記します。

〇〇株式会社△△様

いつもお世話になっております、□□です。
日頃から手厚いサポートをして頂き、誠にありがとうございます。

面接をご調節頂いております株式会社✗✗ですが、大変恐縮ではございますが、選考を辞退させて頂きたく存じます。

待遇や条件など大変悩みながら考慮し、このような結論となってしまったこと、大変申し訳ございません。

△△様にはお手間だけを取らせてしまったことについて、
深くお詫びを申し上げます。

上記、何卒よろしくお願い申し上げます。

ー署名ー

④内定のキャンセルを伝えたい時

最終面接にも通り、あなたは無事に企業から内定をもらいました。

しかしながら、他に進めていた選考で、第一希望の転職先から内定を貰った。

だから、もう一歩の方は内定を辞退したい。

そのようなことが起きてしまう可能性も否めません。

この際も、罪悪感を感じたりためらうことなく、内定をキャンセルしたいとの旨を担当のエージェントにはっきり伝えましょう。

なぜなら転職業界では複数の内定先から内定をもらい、その中で取捨選択することは当たり前のことだからです。

その際に一度、「実は他でも内定を貰っていて迷っている」ということを伝えておいたほうが、断りやすくなります。

以下がメールの例文となります。

〇〇株式会社△△様

いつもお世話になっております、□□です。
日頃から手厚いサポートをして頂き、誠にありがとうございます。

先日内定を頂いた株式会社✗✗ですが、内定を辞退させて頂きたく思います。

待遇や条件など大変悩みながら考慮し、このような結論となってしまったこと、大変申し訳ございません。

△△様には職務経歴書から、面接対策、その全てを万全にサポートして頂き、多くのお手間をおかけしてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。

上記、何卒よろしくお願い申し上げます。

ー署名ー

なお、内定を断る際の注意点として、以下の4点が挙げられるでしょう。

  • なるべく早めに断る
  • 内定が出た日から1日以上おいて断りを入れる
  • メールだけでなく電話でも謝罪の意を伝える
  • 企業に連絡せず、転職エージェントにまずは連絡をする

また、転職エージェントに連絡を入れる際、二次・最終面接の辞退を伝える際に気をつけるべきこととして書いたのと同じように、

エージェントには本当の理由を包み隠さず話すべきであることを忘れてはなりません。

サービスの利用者がどのような考えで転職活動をしていて、どうして今回のようなミスマッチが起きたのか、

それを分析して、次の利用者へのサービス向上につなげてゆくために、

何が自分の意志と合わなかったのか、何が良かったのかをきちんと担当者に伝えましょう。

⑤内定を受諾した後に入社を取り消しにしたい

なかなか珍しいケースかも知れませんが、それでも内定を受諾した後に、どうしても入社できなくなってしまうこともあるかもしれません。

また、どんなに避けるべきことといえども、意図しない企業に入社して後々また転職することになるくらいなら、

自分の意志を尊重して断ったほうがいいでしょう。

このように内定辞退を申し出る場合は

  • 遅くとも入社2週間前までには意志を伝える
  • メールで謝罪の意を伝えたあと、電話でも伝える
  • 転職エージェントだけでなく企業の両者ともに謝罪する

ということに注意しましょう。

メールの例文は以下のようになります。

〇〇株式会社△△様

いつもお世話になっております、□□です。
日頃から手厚いサポートをして頂き、誠にありがとうございます。

先日内定承諾を行いました、株式会社✗✗ですが、
内定を辞退させて頂きたく思います。

一度内定を承諾させていただきながら、このような身勝手な判断をしてしまい、誠に申し訳ございません。

待遇や条件など大変悩みながら考慮し、このような結論となりました。

△△様には職務経歴書から、面接対策、その全てを万全にサポートして頂き、多くのお手間をおかけしてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。

上記、何卒よろしくお願い申し上げます。

ー署名ー

また、本当にレアなことではありますが、入社辞退の場合、最悪だと損害賠償を請求される可能性があるとも覚えておきましょう。

そのようなことにならないためにも、内定を受諾する際はよく考えてから返事をすることが大事だと言えます。

⑥サービスを退会したい

希望の転職先が見つかったり、転職活動そのものを辞めるときも出てくるかと思います。

その場合、転職エージェントのサービスから退会することになるかと思いますが、サイトによって退会方法が異なるので注意が必要です。

その方法としては

  • 退会専用ページから手続きをする
  • 担当者に直接メールで退会の旨を申し出る

といった2つの方法が存在します。

専用ページでの手続きの際は、記されている通りの手段で手続きをしましょう。

また、担当者に直接伝える必要がある際は、必ず感謝の気持ちを伝えることを忘れないようにしましょう。

以下にメールの例文を記しておきます。

〇〇株式会社 △△様

いつもお世話になっております。□□です。

大変恐縮ですが、諸般の事情につき、転職活動を一時休止することとなりました。

そのため、一旦貴社のサービスを退会させていただきたいと思います。

しかしながら、今後も一切転職活動をしないとは断言できません。

その際はまた△△様と、付き合いさせて頂きたく存じます。

△△様には、転職活動時には大変お世話になりまして、心より感謝しています。

また機会がございましたら、引き続きよろしくお願い申し上げます。

ー署名ー

これは、サービスを退会したい時だけでなく、案件の紹介メールが届きすぎて困っている、といった理由で

退会を希望する際にも、同様だと言えるでしょう。

まとめ

断る女性

いかがでしたでしょうか?

今回は、転職エージェントのサービスを受ける中でどのようにしたら断れるか、以下の6つのシチュエーションについてまとめてきました。

  1. 書類選考の段階で断りたい時
  2. 一次面接を辞退したい時
  3. 二次・最終面接を辞退したい
  4. 内定のキャンセルを伝えたい時
  5. 内定を受諾した後に入社を取り消しにしたい
  6. サービスを退会したい

いずれの点でエージェントの申し出を断るにしても、大切なのは、自分の意志をしっかり持ちながらも、

誠実に相手に思いを伝えることであると言えるでしょう。

しかしながら、転職エージェントの立場を考えるがあまり、自分がしていることに罪悪感を感じる必要は全くありません。

あなた自身の気持ちを折ってまで、エージェントの提案に従ってしまっては本末転倒です。

本当に大切なのは、あなたがどのように感じていて、どのように行動したいかです。

それを守るためには、時には希望しないものははっきりと断る勇気を持つことは、とても大切なことでしょう。

だからこそ、断るような状況が発生しないように、どのような企業に応募して、面接へと進んでゆくか、

どのような企業の内定を受諾するかをしっかり考えることが必要になってくるでしょう。

しかしながら、最後のところで優先すべきはあなたの気持ちです。

あなたの想いのまま、希望の転職先に転職できることを祈っています!