あと1年もしないうちに高校の卒業を控えている。
そのような状況で、あなたは卒業後の進路をどうするべきか、今悩んでいるのではないでしょうか?
本心としては、このまま卒業とともに就職してしまいたい。
けれども、高卒で就職してしまって大丈夫なのだろうか?
そのように心配しているあなたはきっといろいろな噂を耳にしたのでしょう。
高卒は大卒よりも給与面で劣る。
高卒だと転職の際に不利になる。
けれども、これらの噂はほんとうなのでしょうか?
本当に高卒だけが不利だと言えるのでしょうか?
今回は、就職に際して、高卒と大卒ではどのような違いが存在しているのかに着目したうえで、
どのようにしたら高卒であることを有利に働かせられるのか、一緒に考えてみたいとおもいます!
目次
高卒と大卒の具体的な違い
まずは大卒・高卒それぞれの具体的なメリット・デメリットを捉えてみるまえに、具体的にその両者にはどのような違いが存在しているのかを簡単に考えてみましょう。
①履歴書に記入する最終学歴が違う
最終学歴というと、自分が通ってきた中で最後に卒業した学校のことだと思いがちかもしれませんが、実は違います。
正しい意味は「自分が通ってきた中で一番高い水準の学校を卒業した経歴」のことを言うのです。
故に、高卒の人の場合は「高校卒業」が最終学歴になりますし、大卒の人は「大学卒業」が最終学歴となります。
それでは学校を中退した際はどうなるのでしょうか?
この際も、最終学歴の定義は変わらず、卒業した学校の中で一番高い水準のものを履歴書に記入することになります。
つまり、大学中退だったら高校卒業を、大学院の中退だったら大学卒業を、最終学歴として記入することになるのです。
②社会人になる時期が違う
高卒と大卒では、社会人になる時期が一般的には4年ほど違います。
同じ4年間でも、「高卒後4年間」と「大学入学から4年間」という時間では、非常に大きな違いがあるといえるでしょう。
高卒の人からしてみたら、卒業と同時に就職するのですから、4年間の間で自立した社会人として経験を積んできたという自信を持つことができるでしょう。
一方で大卒の人にとっては、大学時代の4年間では学業はもちろんのことながら、アルバイトやサークル活動など、
様々な経験を積むことができる時間を得ることになります。
そのような時間を過ごす中で、どんな職業につきたいのか、といったことをじっくりと考えることもできるのです。
この高卒と大卒の4年という違いには、どちらが優れていてどちらが劣っているかはありません。
どちらの時間も、それぞれが選択をしたからこそ得られた時間なのであり、その両者に意義があるのです。
③生涯賃金に大きな差が出る
一般的に言われるのは、高卒と大卒の間では一人の人間が一生涯の間で稼ぐ賃金の総額に大きな差があるということです。
その差は独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査によると大卒のほうが高卒よりも6,000万円ほど高くなると言われています。
しかしながらこの調査に関しては、一つ留意するべき点があります。
この例の対象になっているのが学校卒業後に即就職して、定年まで同じ会社で働き続けた男性の場合である、ということです。
今の時勢では、一つの会社に一生とどまるよりも、新卒3年以内に仕事をやめて職を変えるなど、転職をすることが普通になっています。
その際、給与体系は変わるため、一生を同じ場所で働いた場合と、転職をした際では、得られる生涯賃金も変わってきます。
また、大卒のほうが生涯賃金は多いから有利、と簡単に決めつけてはいけません。
なぜなら、高卒の人が卒業後の4年で自ら給料を稼いでいる一方で、大卒の人たちは学費を払っているからです。
もしその学費を奨学金に頼っていたとしたら、就職後に一定の期間をかけて返済をしなくてはなりません。
つまり、生涯で稼ぐ賃金が多いということと、ある年代で自分が自由に使えるお金が多く有るということは、イコールではないのです。
だからこそ、この生涯賃金の差に関しては、あくまで目安として捉えるべきだと言えるでしょう。
大卒であることのメリット
それでは、前章で確かめた両者の違いが、具体的にはどのようなメリットやデメリットをもたらしているのか、実際に見てみましょう。
まずは大卒であることのメリットから見ていきます。
①応募できる企業の可能性が広い
就職活動の際、どんな企業の募集に応募するにおいても、まず確かめなくてはならないのは「応募資格が有るかどうか?」でしょう。
それはもちろん必要とされる専門知識があるか?資格を持っているかどうか?といった条件もありますが、
一番初歩的なところで言えば「高卒も応募が可能なのか?」それとも「大卒以上」なのかだと言えます。
高卒だと学歴的に書類審査にさえ応募できない一方で、大卒の人はそれがありません。
様々な企業に幅広く応募することができるのです。
つまり、大卒であるほうが就職先として選ぶ企業の可能性が広い、と言えるでしょう。
②大学4年間の間に自分がどんな人間かを深めることができる
大卒であることもう一つのメリットとして挙げられることとして、自由に使うことのできる時間を得られるということが挙げられます。
もちろん学生の本分である学業に力を入れる必要もありますが、大学生でなければ得られない、
そのようなまとまった時間に様々な体験をすることができるのです。
例えば、サークルなどひとつのことに打ち込んでもいいですし、国内外問わず旅行に出ることもできます。
そして、このような様々な経験をすることは、自分がどんな人間なのか、と向き合うことにもなります。
つまり、大学卒業を目前に就職活動を進める際に、どんな職業につくのか、といった自己分析をする時間にもなるのです。
このように、集中的に自分に向き合う時間は、社会人になってしまってはなかなか取れないでしょう。
だからこそ、大卒であることのメリットのひとつだと言えるのです。
大卒であることのデメリット
もちろん大卒だからこそ得られるメリットはありますが、その一方で大卒だからこそ被ることになるデメリットもあります。
それは先にも少々提示しましたが、大学進学にはお金がかかるということです。
例えば、高校卒業後に大学に進学することを選んだAさんと、就職することを選んだBさんとがいたとします。まずはAさんについて見てみましょう。
大学進学に際してAさんは4年間奨学金を借りて学費を賄っていました。
その奨学金は返済型であったため、大学を卒業し無事に就職を果たしたあと、借りた分の返済が始まります。
就職先の給料はそれなりに高く、また時期ごとにボーナスも支給されます。
しかしながら、奨学金の返済分を月々の給料から出さなくてはならず、また将来に備えて貯蓄もするとしたら、
結局手元に自由に使える分はそれなりにしか残りません。
それでは、高卒で就職したBさんはどうでしょうか?
Aさんが4年間大学で学んでいる間、Bさんは自ら給料を稼いでいました。
たとえ、Aさんが就職した企業よりも月給が少し低かったとしても、4年間働いているうちにそれなりの額が溜まってゆきます。
Aさんが大学を卒業し、働きながら奨学金を返済している間も、Bさんは変わらず稼いでいます。
それからしばらくが経って、Aさんはようやく奨学金の返済を終え、給料のうち自分の好きにできる部分がようやく増えました。
その一方でBさんは結婚し、家庭を設け、マイホームの購入も果たしていました。
この例はあくまで例に過ぎませんが、このような現象も実際に起こりうるのです。
同い年の同級生のはずなのに、一方は学生として大学に在籍している中、もう一方は社会人として立派に働いている。
大学を卒業し、ようやく社会人として一歩踏み出せる様になったときには、もう一方は家庭を設けていたりする。
このように、大卒であることは、高卒の人に比べて、自立する時期が遅いために「社会人として劣っているのではないか」と不安を感じてしまいがちです。
つまり、大卒であるがゆえに感じるコンプレックスも存在しているのです。
まずはコンプレックスを乗り越えよう
大卒の人たちが享受できるメリットに目を向けると、あなたはどうしても高卒という学歴にコンプレックスを感じずにはいられないかもしれません。
しかしながら実情は、高卒の人にとって優遇されて見える大卒の人であっても、彼らにとっては高卒の人が同じように見えているのかもしれないのです。
一度落ち着いて考えてみましょう。
どんな人であっても、他の人の優れた点ばかりに目を向けてしまうと、そのような人たちに比べて自分は劣っているのではないか、
とコンプレックスを抱えてまうものではないでしょうか?
つまり優遇されて見える大卒の人たちもそれぞれコンプレックスを抱えているのであり、
それ故に、誰かが弱みとして感じていることは、もしかしたらあなたにとっては強みになっているのかもしれないのです。
その点では高卒であっても、大卒であっても変わりません。
だからこそ、まずは学歴に対するコンプレックスを考えすぎないようにしてみましょう。
そのためには、物事の悪い面ばかりを見ようとするのではなく、意識的に良い点を見出そうと努力してみればいいのです。
そうすることができるようになったら、高卒であることのメリットを純粋に考え、気づきを得ることができるようになるでしょう。
その結果、高卒という立ち位置を有効的に利用して就活をすることができるようになるのです。
高卒であることのメリット
これまで高卒であることは大卒に比べて不利だということは決してなく、あなたの捉え方次第で、
就職活動を目前にいくらでも有利な条件として活用できるということを述べてまいりました。
ここからは具体的に、どのように有利になるのかを2点ほど記していきたいと思います。
①指定校求人枠を利用することができる
大卒の就活と比べて、高卒の就活では、より在学中の成績が就職活動に直結しやすいということが挙げられるでしょう。
高校入試の際に指定校推薦といった方式があったかと思われますが、それと同じように、高卒の就活には指定校求人枠という枠が存在します。
企業側が「この学校の生徒は優秀だから、是非とも自社で働いてほしい」と学校を指定して、その学校から内定者を出すという方法です。
この際、在学中の成績が選ぶ際の基準として利用されます。
つまり、日頃の素行がよく、また入学当時からコツコツ勉強を続ける努力さえできれば、就活の際にその努力が報われるのです。
大卒では、在学中の評定が内定に直結することはほとんどありません。
だからこそ、この指定校求人枠を利用し、名の通った企業に就職できるということは、高卒ゆえのメリットだと言えるのです。
②在学中に資格を取得することができる
高卒での就職を目指す人の中には、例えば工業高校や農業高校等の普通科以外の高校に通っている人もいることでしょう。
そのような人にとって、高卒であるということは非常に有利に働くと言えます。
なぜならそのような高校では、専門的な資格を取得することができるからです。
例えば、無線技師や電気工事士の資格などを在学中に取得すれば、それらを活かせる仕事につくことができます。
そのような職は学歴の高さは関係なく、資格を持っていて、実務経験があるかどうかがものを言う業界です。
つまり、実力さえあればいくらでも、上を目指すことはでき、最初は会社に就職していたとしても、
ゆくゆくは独立して個人の会社を立ち上げるなどして、稼いでゆくことも可能なのです。
大卒ではそのような資格を取得する機会は稀で、だからこそ高卒であることが有利に働くと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、高卒と大卒との間には具体的にどのような違いが存在していて、そして、それぞれどのようなメリットとデメリットが有るかどうかを捉えてきました。
そしてさらに、どのような方法を取れば、高卒という学歴であっても大卒に劣らぬ就職ができるかどうかを考えてみました。
高卒が大卒に劣らぬ就職をするための具体的な方法としては、以下のような2つの方法が挙げられます。
- 高校在学中、日頃から勉学に励み、就活時に指定校求人枠に食い込めるように努力する
- 専門的な資格を在学中に取得し、それらを活用した職を目指す
高卒という学歴は、どうしても大卒に比べて劣っているという考えをしてしまいがちかもしれません。
しかしながら、最終的には高卒であるか、大卒であるかは大して重要な問題ではないのです。
高卒のあなたが自分の学歴にコンプレックスを持つように、大卒の人も、自信の学歴に違うコンプレックスを持っているかもしれません。
このように、人の悩み事には大卒も高卒も関係がないのです。
しかしながら、あなたの考え方一つで、あなたが抱えたコンプレックスはいくらでも強みに変えることができるのです。
だからこそ、悲観的になることなく、積極的に弱みを強みに変えて、就職活動に立ち向かってください!