勤続3年めで退職金はでるのか?出るならば退職金の平均額は?

退職金の平均額

勤続3年めで退職金はでるのか?出るならば退職金の平均額は?

正社員として会社に勤務をし、定年まで勤務し続ければ退職後に退職金が支払われることはほとんどの人が知っていることでしょう。

では、定年まで働かずに3年目で会社を退職することとなった場合でも退職金は支払われるのでしょうか。ここでは、勤続3年目での退職金に関することについて解説します。同時に退職金について知っておいた方が良い知識もいくつか紹介していきます。

退職金の基本的なことについて

会社を退職することになれば退職金が支払われることについては誰もが知っていることではありますが、退職金の基本的な知識については知らない人がほとんどなのではないでしょうか。

退職金で後々困らないためにも退職金の基本的な知識を身につけておきましょう。

退職金の本当の名称について

退職金というのは略式的な名称で、本当の名前は退職金給付制度という名前です。退職金は該当する雇用者と会社との雇用関係が終了した時点で会社側から雇用者に対して支払われるお金のことを指します。雇用関係の終了とは定年まで働いた時や、自己都合による退職だけではありません。

会社側から辞職を提示される、いわゆるリストラを指示された場合も雇用関係の終了という扱いになりますし、勤務中に何らかの事故に遭遇したり大病を患ったりして死亡した時にも雇用関係は終了します。

退職金は会社が支払うと決まっているわけではない

ほとんどの人が退職金は会社側がお金を支払っているものだという認識ですが、実際にはそうとは限りません。会社外の金融機関などと契約し、退職金を積み立てていくような仕組みになっている会社もあります。もし、気になる人は自分の会社の退職金がどのような積み立て方をされているのか事前に調べてみると良いでしょう。

例外もありますが大企業では自分の会社内だけで積み立てているケースが多く、一方中小企業の場合は外部に積み立てを委託している企業が多いです。

退職金というのは日本独自の制度

日本に住んでいると退職金がもらえるというのはごく当たり前のことなのですが、海外の人が退職金制度の話を聞くととても驚き、そして羨ましいと口々に言います。実は、退職金制度というのは日本の企業独自の制度で海外では退職金が支払われないのが一般的です。

老後のお金を年金以外で賄えるような制度を設けてはいますが、基本的に老後のお金は投資するなり貯金するなりして自分たちで確保していかなければいけないのです。

退職金が支払われるのは当たり前ではない

日本の企業に一定期間以上勤めていれば必ず退職金がこらえると考えている人がほとんどですが、実はそれは大きな間違いです。

退職金を支払う事は法律で義務付けられてはいない

そもそも退職金というのは会社が長年働いてくれた社員に対しての感謝をお金に替えて支払っているようなものなのです。あくまでも善意でおこなっている制度だということは頭の隅に入れておきましょう。

そして、日本の法律には「退職金法」というような法律は存在しません。つまり、退職金に関しての取り決めは各会社に任していて法律で何らかの規制がされているわけではないのです。極論から言えば退職金を一切支払わなかったとしても法律違反ではありません。

退職金を支払わない企業が増えてきている

実は、実際に退職金制度自体を廃止にする企業が増えてきています。退職金を廃止にしている企業は資本が少ない中小企業が中心ですが、中にはだれもが名前を知っているような大企業でも退職金廃止に向けた動きが活発化しています。退職金制度を廃止する最大の理由は定年退職者がここ数年で急増するためです。

退職金というのは基本的に勤続年数が長ければ長いほど多く支払われることになります。定年を迎えて退職する人の中にはその会社にずっと勤め続けた人も居るでしょう。一人一人に支払う退職金はとても大きな金額になります。退職者が一気に増えれば金銭的に会社を大きく圧迫するのは明らかです。

そういった事態を恐れて退職金制度を事前に廃止する動きが活発化しているというわけです。急に退職金を廃止されると定年後の退職金をアテにしていた人にとっては裏切り行為だと言いたくなるかもしれませんが、先に解説した通り退職金制度自体が法によって守られているわけではないので、突然会社側が退職金制度を廃止したとしてもそれに従わなければいけないのです。

現在の日本において、退職金をアテにすること自体が危険な考えだといえるのかもしれません。

参考:平成29年度民間企業における退職給付制度の実態に関する調査研究報告書

勤続3年目で退職、転職を考える人が多い

勤続3年目というのは、転職をするかどうかの節目になることが多いです。だいたい3年間同じ会社に勤めていると外部では知り得ないような会社の内情をほとんど理解するようになります。ですから、3年目で転職や退職を考える人は熟考した上での決断となる場合がほとんどです。

仕事の内容について

3年目になると自分の会社でのポジションがだいたい決まってきます。まじめに仕事をしていればある程度責任を負わなければいけないようなポジションに付くことも多いでしょう。また、3年目というのは仕事量が一気に増える時期でもあるのです。

今までは自分のペースで仕事が出来ていたのに、仕事量が増えることによって仕事に追われ気持ちに余裕がなくなって耐えられなくなり、転職や辞めることを考えるというケースが多いです。

真逆のパターンも

先に説明したこととは全く逆のパターンで転職や辞職を考える人がいます。特に、工場勤務に多いのですが、3年目になっても1年目と同じような仕事の繰り返しばかりだとこれから先もずっと同じような仕事をし続けなければいけないのかと考え苦痛になり、もっと刺激のある仕事ややりがいのある仕事を求めて転職や退職を考える人が増えてくるのです。

仕事に対しての楽しさ、やりがいが感じられない

先に挙げた例と関連しますが、3年目にもなると大体自分の会社の仕事内容は理解できます。3年経過しても現在自分が携わっている仕事が全然楽しくなかったり覚えられなかったりするとその職場で働き続けるのが苦痛になることでしょう。

3年目というのはその思いがピークに達しやすく、会社を辞める人が多くなるのです。

参考:仕事に行きたくない!やる気が低下する原因と対応策

会社の方針や社員の扱いに不満を感じる

3年も務めていると、仕事の内容だけではなく会社の社風や自分の会社が社員をどのように扱っているのかがなんとなくわかってきます。もし、自分の会社に対する考えと社風とが根本的に合っていないのであればこれから先働き続けることが苦痛になってくるでしょう。

また、社員を駒のように扱っている会社に勤め続けているといずれ身体を壊してしまうかもしれません。そういった違和感を感じたときは転職や退職を考えた方が良いでしょう。

入社3年目の退職で退職金は支払われるのか

退職金制度が強制的なものではないとはいえ、10年近く自分の会社に勤め続けてくれた人に対しては退職理由がどのようなものであれ、退職金を支払ってくれる会社がほとんどでしょう。では、転職する人が一気に増加する入社3年目での退職の場合、退職金はもらえるのでしょうか。

入社3年未満の場合、基本的に退職金は支給されない

退職金をいつから支払うかについてはそれじれ会社独自に定めているためすべての企業に当てはまるわけではありませんが、入社して3年以内に退職をした場合、多くの企業で退職金は一切出ません。

もし、退職金をもらえる可能性を少しでも上げたいのであれば3年以上働いてから転職や退職を考えるようにしましょう。

退職金の計算方法とは

退職金の金額の計算方法に関しても会社ごとに決めているので一概には言えませんが、多くの会社では「退職時の基本給×勤続年数×給付率」という計算式で退職金を算出しています。

例えば月の給料が30万円、勤続5年目で給付率が50パーセントだった場合の退職金は、基本給30万円に5をかけ、更に50パーセントをかけた75万円が実際に支払われる退職金ということになります。

勤続3年目で退職した場合の退職金の平均額

実際に勤続3年目で平均どれくらいの退職金が支払われているのか確認したところ、高卒の場合平均16万円ほど支払われています。

一方、大卒では少し増えて平均24万円となっています。このように勤続年数が短い場合、支払われる金額は微々たるものです。

自分の会社の退職金制度をよく確認しよう

以上のように、勤続3年目程度の場合は退職金自体支払ってもらえないような企業が数多くあります。

そもそも退職金制度自体が国が定めたものではないため、もらえるものだと思い込んでいると大変なことにもなりかねません。自分の会社の退職金制度は事前に確認しておきましょう。