あともう数ヶ月も経てば、自分も就職活動を視野に入れる学年になるというあなた。
あなたは今少し焦ってませんか?
履歴書やエントリーシート(ES)を書く時に、何もアピールポイントが無いよりも、なにかあったほうが採用担当に好印象を残せるのかもしれない。
けれども、このまま行くと資格欄が空白のままになってしまう。
就職活動の際に有利になると噂を聞くし、とりあえず取得をしておくべきか…。
もし、そのような理由であなたが今資格を取得しようとしているのなら、考え直したほうがいいかもしれません。
なぜなら、就職活動で内定を得るために直接有利に働く資格など、実際は存在しないからです。
言い方を変えると、特段これと言った資格を持っていなくても、内定先を得ることは十分できます。
今回は就職の際に資格を持っていなくても平気な理由、そして、必須ではないけれど持っていて損はしない資格、その2点をこの記事でお伝えしたいと思います。
目次
就活に資格がいらない3つの理由
就職活動を始める前に資格を取得したほうが有利ではないか?と考える人の心理として、
「今資格をとっておけば、就職した後に役立つのではないだろうか?」
そして「就職した後の仕事に役立つ資格を持っている人のほうが、企業としては採用したいのではないか?」といった憶測が挙げられます。
しかしながら実はその逆で、持っているだけで内定に直結するような資格はほとんど存在しないのです。
実際、リクルートキャリアが発表している「就職白書2018」を参照すると、採用時に資格の有無を判断基準にしている企業は全体の8.3%と非常に低い数値となっています。
つまり、就活に際して資格は必ずしも必要なものとは言えないのです。
この理由として以下に3点示してゆきます。
①資格取得で学んだことが実務に直結するとは限らない
例えばあなたが就活の際、そして入社後に役立つかもしれないから、そのような場しのぎ的な考えで簿記の資格を取得したとします。
無事に内定を経て、就職へとたどり着いたものの、配属されたのは金融の営業職でフィナンシャルプランナー(FP)の資格を必要とする場所でした。
このような場合はどうでしょうか?
就職活動の際に簿記の資格を持っていたことが採用の決め手になったわけではありません。
また、就活生の時点で金融系に進みたいという希望を持っていたのならば、その時点でFPの資格を取ることは可能だったはずなのです。
つまり取得した資格が就職後の実務に役立つかどうかは、実際に入社して配属されてから初めて分かることなのです。
②企業は資格の有無より実務経験を重視している
このように入社後に使えるか使えないかわからない、机上の空論に過ぎない資格を持っているよりも、企業としては直接仕事に活かすことのできる実務経験が欲しいということが本音でしょう。
だからこそ、もし学生時代のアルバイト等でそのような経験を積んだ人がいるのなら、それは強みになると言えます。
しかしながら、実務経験を持っていなくても大丈夫。
そもそも、新卒を採用する際に、企業は経験の有る無しを判断の基準にしようとはしていません。
新入社員に経験がないというのは当たり前のことです。
そして企業によっては、新入社員に実務経験を積ませるためのOJT(On-the-Job Training)制度を充実させることにより、積極的に入社直後から経験を積ませることで人材を育てようとしているところも存在します。
だからこそ企業は、新卒採用にあたって、資格の有無よりも、その人が新しいことを学んで自分のものにしてゆく力のような将来性を持っているかどうかを優先させていると言えるのです。
③資格取得者を採用したいのなら募集要項に記しているはず
そもそもの話、本当に企業側が資格を持った人を優先的に採用したいのならば、求人募集の要項を出す時点で、「〇〇の資格を所有する人」と条件をつけて募集をかけるはずではないでしょうか?
しかしながら、実際にはそのようなことをする会社はそうありません。
また資格を持った人だけを確実に採用したいのならば、例えば看護師さんの場合がそうであるように、専門学校等を出た人のみを採用対象にするはずです。
本来、大学に進学する目的とは、例えば文系文学部だったら、イギリス文学やアメリカ文学など特定分野の専門知識を身につけることであって、資格取得のために進学するわけではありません。
だからこそ、大卒を採用対象にしている時点で、資格の有無を採用時の判断基準にしていないことは明白なのです。
持っていて損にはならない資格2選
これまで記してきたことを一度まとめてみましょう。
就職活動がうまくいくかわからない不安から、就活準備として資格取得を目指してしまいがちですが、これは内定を得るため必ずしも有効な手段とは言えません。
例えば簿記やフィナンシャルプランナーなどの資格は、内定が決まって本当に必要になってから取得を目指したとしても、全く差し支えはありません。
むしろ、就活を有利に進めるために資格を取得しようとすることは効率が悪いことだとさえ言えるのです。
とは言っても、直接内定に結びつくわけでなくとも、持っていて損にならないものが資格です。
ですから就活を前にして余裕があって、なおかつどうしても資格欄を埋めたい!という人は、そのような資格の取得を目指してみるのもいいかもしれません。
①TOEIC
TOEICとは、数ある英語力を測る試験の中で格段に受験者数が多く、また月に一度という頻繁さで開催されていることも相まって、日本の就職活動において多くの企業が基準として採択しているテストです。
最近では大学入学時に、語学のクラス分けのために受験が必須になっている学校も増えたため、一度は受験したことが有るという人もいるでしょう。
就活の際必ず受けなくてはならないもの、ではありませんが、数多くのエントリーシートの項目にTOEICスコアを記入させる欄が存在するのが事実です。
また企業によっては新卒採用時の足切りラインとして、「TOEICスコア何点以上」と定めている所もあるため、
スコアを出しておいたほうが就職先の可能性をより広げられる、という意味では受験をしておくことをオススメする資格の一つだと言えます。
またマークシート形式でスピーキングやライティングは存在しないため、たとえ英語が苦手な人であっても、
しっかりこの試験の特徴的な形式に慣れてさえしまえば、スコアを出しやすいという意味でも、受験をしても損はしない試験だと言えます。
②日商簿記検定
何種類か有る簿記検定の中でも社会人向けに行われているものが日商簿記検定であり、商工会議所が主体となって行われています。
簿記と言えば、企業のお金の出し入れについて、主に扱うため、経理職を目指している人が取得を目指す試験だと思われがちです。
しかしながら実は営業職を目指している人も持っていると役に立つ資格であると言えるでしょう。
これは実際に筆者が経験したことなのですが、筆者は就活生のとき、全国各地で公演を行う某劇団の経営部門を目指していました。
劇団だから、筆記試験の際に問われるのは演劇方面の知識がメインだろうと予想していた筆者でしたが、
なんと当日、簿記に関する知識がガッツリと問われてしまったのです。
当時、何もわからずカンでマークシートを塗りつぶしたことを未だによく覚えています。
今思い返してみると、そこの経営部門では経理や広報など様々な部署が有る中で、新入社員がまず配属されるのは営業職と決まっていました。
簿記とは商売の基本を学ぶものであり、そしてすべての企業はそれぞれ商売をしている状態だとも言えます。
ですから、経理の人、営業の人というだけでなく、企業活動に関わるすべての人が、簿記の資格を勉強しておくことは非常に有意義なことなのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回この記事では、就職活動に際して資格を持っていることが、必ずしも内定を得るための必須条件ではないことを記してきました。
つまり、資格がなくとも十分内定を得ることはできるのです。その理由としては以下の3点がありました。
- 資格取得に際して学んだことが、実務に直接役立つとは限らないから
- 企業は資格の有無よりも実務経験を重視しているから
- 資格取得者を採用したいのなら最初から募集要項に条件として出すから
とはいえ、就職先の可能性を広げられるという意味ではTOEICや日商簿記検定などのスコアや資格を取得することもいいでしょう。
持っている知識が多ければ多いほど、対処できる事案も増えるからです。
しかしながら、やはり内定が決まってからでも十分間に合う資格取得準備のために、就活前の時間を利用することは効率的なこととは言えないでしょう。
就活に対する不安の解消方法は、資格取得を目指すことだけではありません。
例えばエントリーシートのかきかたや、集団面接、またSPIの対策をするなど、もっと直接的な就職活動に対する準備の方法があります。
そして、このように準備を万全にすることで、不安は自信へと変えてゆくことができるのです。
是非、就活に向けて、今あなたが本当にやるべきことを見極めて、内定を勝ち取るための一歩を踏み出してください!