休職中に転職活動をするメリット、デメリットは?

休職中に転職活動

仕事をしていても、休職しなければならない場面が出てきます。怪我や病気であれば完治するまで心置きなく休めますが、精神的なストレスや過労の場合はいつ治るかも分かりませんし、また同じ状況になるかも、と復職しづらいですよね。

そこで休職を利用して転職活動しようとする人もいるのではないでしょうか。

しかし、そもそも休職中、転職活動しても良いのか、内定をもらったらどうしたら良いのかなど分からないことも多いと思います。

ここでは、休職中の転職活動について、メリットやデメリット、ポイントなどについて紹介します。

休職中に転職活動をするのはダメなの?

そもそも休職とは

休職とは簡単に言うと元の職場に復帰することを前提としたお休み期間です。もっと言うと、働けない社員は要らないけど、やむを得ない理由で働けなくなったのに即解雇はかわいそうだから治るまで休んでいいよ、という会社側の厚意によるものです。

そのため、休職期間というのは会社によって異なっていて、一概にどれくらい、というのはありません。むしろ中小企業などでは休職されると人手不足になりますし、いつ帰ってくるかも分からない社員を待ってくれるところもそう多くないので休職できない場合もあるかもしれません。

その点大手企業は福利厚生がしっかりしているので、長期間の休職が可能なことも多いです。

休職期間に転職活動はして大丈夫?

先程述べたように休職とは元の職場に復帰するのを前提としています。したがって、せっかく会社の厚意で休ませてもらっているのに別の会社に移るのは心苦しいのではないでしょうか。

とは言え、それも病気や怪我による休養の場合です。中には、パワハラや労働超過など精神的苦痛によって休職せざるを得ない場合もあるでしょう。そんな状態にさせられた会社に対して休職して申し訳ない、という気持ちになれるかというと微妙なところです。

ですから、休職中の転職は絶対ダメ、というわけではないですが、休職するということは精神的あるいは肉体的に働くのに支障があるからなので、まずはそちらの完治に専念した方が良いでしょう。

休職中に転職活動をするメリット、デメリット

休職中の転職活動におけるメリット

休職期間に転職活動をするのは絶対ダメではないと思います。むしろこの期間だからできるメリットも多いです。

時間的余裕がある

なんといっても時間に制約がないのが一番です。通常転職しようと思ったら、書類を作ったり希望条件で会社を探したり、エージェントを利用するなら打ち合わせをしたりなどを、仕事の合間にやらなければなりません。面接も土日や仕事後に時間を作らなければならず、結構しんどいものです。

しかし、休職中ならいわば一日時間があるので、好きな時間に面談や面接など設定することができます。

焦って決める必要がない

転職の失敗にありがちなのが焦って決めてしまうことです。仕事をしながらの転職もそうですが、仕事をやめてから転職活動をした場合、なかなか次が決まらなくて、焦って一番初めに内定をくれた会社に決めてしまうことがあります。

この場合、自分に合っているかどうかが二の次になってしまうので、いざ仕事を始めてみて違和感を感じたり、仕事のしづらさから再度転職を検討したりする、なんてこともあります。

その点、休職中であれば、希望通りの会社がなくても元の職場に復帰できる、という保険があるので精神的に安心して転職活動に打ち込めます。

現職との比較がきちんとできる

仕事をやめてから転職活動をする際、気を付けたいのが前職の良い面、悪い面についてです。転職しようと思うからには前職になんらかの不満があったからでしょう。嫌な思い出やイメージは離れるごとに大きくなりがちです。退職してから転職活動していると、前の会社よりはマシだと思ってしまいやすいのです。そして、実際働いてみると後悔することも多々。

しかし、休職中であっても現職に違いはありません。常に職場に触れているからこそ、良い面、悪い面を比較しやすく、自分が新しい職場に何を求めているのかをしっかり見据えて活動できるのです。

休職中の転職活動におけるデメリット

休職すること自体にできる仕事の制限だったり、給与の減額だったりなどデメリットはありますが、休職中に転職活動をするデメリットは何があるのかというと次のようになります。

応募先に疑問視される

すべての企業ではないにしろ、健康や精神になんらかの支障のある人を採用するメリットがあるのか、という点があります。応募先からしてみれば即戦力になって働いてくれる人を採用したいでしょう。

また、仮に休職期間ということを伏せて活動していると経歴詐称としてトラブルになりかねません。いずにせよ心身ともに健康になってから行うのがベストだと言えます。

手続きが面倒

通常の退職と、休職からの退職では流れが異なる場合があります。もし、休職中に内定をもらってその企業へ入社する場合は、速やかに退職しなければなりません。

もちろん元いた職場へ報告することになりますよね。休ませてもらっていた分気まずいかもしれませんが、避けられないので早めに対処しましょう。言いにくければ上司に相談するのも良いでしょう。会社側からしたら復帰することを前提にフォロー体制を整えていた中での報告なので、良い気分にはならないでしょうし、嫌みも言われるかもしれません。それも覚悟で活動を行った方が良いですね。

休職中に転職活動をする時のポイント

前述した通り、休職中の転職活動が絶対ダメというわけではありません。休職時に転職活動をするには通常の転職と異なるいくつかポイントがあります。

収入を考えて転職活動する

仕事による怪我や病気での休職は働いていなくても休業補償給付・休業特別支給金を申請でき手当てがもらえますが、収入の約2/3程です。独り身の場合はなんとかなるかもしれませんが、家族を養っている場合は教育費やローン、保険などの出費もあり、苦しくなるかもしれません。

手当てや給付金でどのくらいの収入が見込めて、いくら出費があるのかをきちんと計算して転職活動を行うのがポイントです。

転職エージェントを利用する

どうしても転職しなければならない、転職したい、といった場合はエージェントを利用するのがおすすめです。転職エージェントでは休職中の転職について不利になるのか、面接ではどうしたら良いのかなど相談したり、それに対してアドバイスをもらったりすることができます。ひとりで転職活動するよりも効率的に活動できるのがメリットです。

さらにエージェントを利用すれば面倒な交渉や書類作成もお任せすることができます。内定後のフォローもしてくれるので休職中の転職でも安心です。

リクルートエージェントやDODA、リクナビなどが有名ですが、他にも複数の転職エージェントがあるので、絞りこまずに休職中でも相談にのってくれるエージェントを探してみると良いでしょう。

休職中の転職活動は頭も体もフル回転

休職中に転職活動をするには時間的な余裕、現職という保険があるため通常の転職よりも好都合に思いがちですが、実はそうでもありません。手当てをもらって休ませてもらっていますし、転職が上手くいかなければ元の職場に復帰する可能性もあります。ぎくしゃくしないためにも前職にはバレないようにする必要があるのです。

そして、応募先へは休職中であることを正直に伝えておきます。隠して活動を行っていても源泉徴収票を出せば在籍していることが分かってしまいます。

休職中に転職活動をするということはこのように頭をフル回転しなければなりません。なんらかの状態で休職しているなら、あまり無理をすると心も体も余計に症状を悪化させてしまいます。休職中の転職はダメではありませんが、まずは自分の健康状態を整えることから始めた方が良いでしょう。