社会人になりたてのあなた。
そろそろ就職先にも慣れてきて、自分自身のことだけでなく、友人や同僚たちの様子が気になり始めた頃ではないでしょうか?
その中でおそらく浮かんでくるであろう疑問。
「同じ年代の人達は、どのくらい年収をもらってるんだろう?」
これから先、あなたがどのようなキャリアを積み上げてゆくのか、今の職場にとどまるのか、それともさらなる年収アップを目指して転職を考えるのか?
どうしたら年収を増やすことは可能なのか?
今回この記事ではすべての基準となる平均年収について目を向けてみましょう。
目次
大卒20代の平均年収はどのくらい?
一概に平均年収と言っても、切り込む角度によって数値が変わってきます。
今回は厚生労働省による平成29年賃金構造基本統計調査を元に、大卒20代の平均年収を「20代前半と後半の年齢別」「男女別」「企業規模別」4つの切り口で捉えてみました。
①20代前半と後半の年齢別
まずは実際の数値を見てみましょう。
20代前半の年収の平均値は246万円となっており、その一方で20代後半になると、その値が284万円となっており、その差は約40万円となっています。
この値は、30代前半と後半の差の28万円や、40代前半と後半の差の25万円に比べて、非常に大きな値だと言えます。
このように20代の前半と後半とで差が生まれてくる理由として、20代は他の年代と違って、短期間に社会人としての立ち位置が大きく変わることが挙げられます。
前半はちょうど大学を卒業し、社会人になりたての頃、つまり仕事に対してもまだ覚えることが多い頃合いです。
その一方で20代後半とは、人によっては昇進が始まったり、部下を持つようになったりと、任せてもらえる仕事の量や、
仕事に対する引き受けるべき責任が増え、それゆえに給与の額が上がり始めます。
だからこそ、同じ20代でも前半と後半とで、年収の差が生まれるのです。
②男女別
性別の違いによっても、得られる年収の差が存在します。
実際の数値をわかりやすくまとめたものが下の表です。
大卒20代の男性で平均が274.8万円である一方、女性の場合は255万円となっています。その差はおおよそ20万円です。
このように性別の違いによって平均年収の差が現れる理由として、営業職や正社員であるよりも給与が低くなりがちな事務職や派遣社員としてはたらく人の割合が、
女性の方が男性よりも多くなっていることが挙げられます。だからこそ、女性の平均年収が低く現れてしまうのです。
③企業規模別
どのような規模の企業に在籍しているかどうかによっても、平均年収は大きく変わってきます。
上記の表のように大企業に在籍する人が平均282.9万円の年収を得る一方で、中企業は258.9万円、小企業だと249.3万円となっています。
一般的に大企業であるほど年収は高くなり、その差は中小企業と比較した際は約万円、小企業に至っては約33万円の差が出てくるのです。
だからこそ、より高い年収を得ることを考えるのならば、大企業を目指したほうがいいと言えるでしょう。
④雇用形態別
正社員か、それともパートやアルバイトなどの非正規社員かどうかによっても平均年収は左右されます。
正社員として勤めている方が年収は高く、その差額はおおよそ40万円ほどとなっています。
このようになる原因としては、正社員である場合、企業や勤務形態にも左右されますが、基本給とは別に交通手当や住宅手当などの各種補助が出されること、
また残業代や季節ごとのボーナスが支給されるなどの理由が挙げられます。
大卒20代の標準的な年収は260万円
これまで20代の平均年収を4つの切り口の異なる切り口で捉えてきましたが、一般的には296万円が20代の平均年収だと言われています。
この金額を前にしたとき「今の自分の年収は実は低いほうなのでは?」と不安になった方もいらっしゃるのではないのでしょうか?
でもご安心ください。
実は平均値といえども、この値は半分以上の人が達成していない数値なのです。
ここで20代全体の標準の年収を考える時に必要となってくるものは、「中央値」という考え方です。
「平均値」と「中央値」の違い
まずは、この2つの言葉の違いについて、とある学校での期末試験の点数の例を用いて説明していきましょう。
①平均値
平均値とは、データをすべて足し合わせたものを、そのデータの個数で割ったものです。
今回の例の場合、7人の得点の総和408点を人数で割った58点が平均値となります。
②中央値
中央値とはデータを小さい順から順番に並べた時に、その真ん中に来る数値のことです。
今回7人分のデータを点数の低い順に並べた場合Aさん→Bさん→Gさん→Cさん→Fさん→Dさんとなるため、真ん中に当たるCさんの点数=55点が中央値となります。
基準にするべきは平均値ではなく中央値
以上平均値と中央値の違いを簡単に説明してきましたが、ご理解いただけましたか?
例としてわかりやすいように期末考査の点数にたとえてみましたが、これを年収に置き換えてみても全く同じことが言えます。
大卒20代の年収の平均は296万円である一方で、標準的な値である中央値は260万円だと言われています。
このような差が現れてしまう原因として、所得の格差が挙げられます。
標準的な年収を得る人が多く存在する一方で、同年代の人よりも圧倒的に多額の年収を得る少数の人もいます。
これらの人の年収額が含まれることで、必然的に平均値が引き上げられてしまうため、標準よりも高い平均値がでてしまうのです。
それ故に、世間で標準的な年収の額を知りたい際には、平均値より中央値に着目する必要があります。
そして大卒20代の人の場合、それは260万円となるのです。
年収アップ求めて目指すべき転職先
これまで平均値と中央値の違いを説明してまいりました。
20代の年収の平均値は296万だと言われていますが、これはあくまで「平均」の値でしかなく、20代の多くの人が貰っていると考えられる「標準」的な年収は260万円です。
この年収の中央値に注目して、もう一度あなたの年収を見つめ直してみましょう。
現在のあなたの年収はこの標準よりも多いですか?それとも少ないですか?
多い人でも更に年収を上げたい人はもちろんのことながら、標準より少ない人は、もしかしたら転職することを考えたほうがいいかもしれません。
それではどのような先に転職をすれば、年収は上がるでしょうか?
以下に、20代でも年収が高い職業を挙げさせていただきますので、是非参考にしてみてください!
①報酬制度が整っている企業
基本給が高いというだけが、年収を高くしている原因でありません。
どのような報酬制度をとっているかによっても、年収の額は大幅に変わってきます。
だからこそ、転職先を探す際の条件として、報酬制度に着目することは非常に有意義だと言えます。
例えば、基本給の他に各種手当てが手厚く支給される企業は非常に年収が高いです。
住宅手当、通勤手当などの基本的な手当がきちんと支給されるだけでも、生活を成り立たせるための必要経費を除いた後、あなたの手元に残る、自由に使えるお金は増えるわけです。
商社の場合、海外勤務になる可能性もあり、その際の手当が非常に大きく、またボーナスの額も高いです。
また金融系、例えば証券や保険の営業職などの場合、あらかじめ決められている給与の他に本人の業績次第でさらに給与が上がる歩合制を採用しているところがあります。
つまりあなたががんばった分がそのまま給与として反映されるのです。
このように、基本給が高いだけでなく、報酬制度が整っている企業は、年収が非常に高いので、転職先としておすすめであると言えます。
②資格が必要な専門職
資格を取得するまでに時間がかかることや、そのための努力を積む必要が出てくるという意味では手間がかかりますが、専門的な資格を取得して、
それを活かせる先に転職するということでも年収を大幅に上げることができます。
例えば、公認会計士や社会保険労務士などが挙げられます。
公認会計士の場合、特に資格取得までが簡単ではありませんが、初任給でもその年収400万円~500万円程とされ、その後の平均年収でも800万円前後であるとされています。
社会保険労務士の場合、その資格を生かして企業に務める場合と、個人で独立開業する場合とがあり、後者のほうが年収が高くなっています。
平均では500万円~600万円ほどの年収を得ているとされ、頑張り次第では年収1000万円も夢ではありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回この記事では、大卒20代の人の年収を「20代前半と後半の年齢別」「男女別」「企業規模別」の4つの側面から捉えた上で、標準的な年収として考える際には、年収の平均値ではなく、中央値で捉えるべきであるということを述べてきました。
- 大卒の20代で平均年収は296万円
- 大卒の20代の標準的な年収額は260万円
あなたはこれから20代の後半に差し掛かってゆくにあたって、どのように働いて、いつ頃結婚をして家族を設けて、と様々な人生設計を考えていることでしょう。
今の年収のままではそのような夢を現実にするためには十分ではないかもしれません。
だからこそ、あなたのなりたい自分になるためにも、今回お教えした中央値260万円という値を基準として、一度、転職を考えてみてはいかがでしょうか?