労働者の流動化が進む現代にあっては、転職活動をすることは決して珍しいことではなくなっています。
もっとも、転職は人生でそう多く経験することではないことから、その進め方についてよく分かっていないという人は多いのではないでしょうか。
活動中に頭を悩ますことの一つが、予想外に複数企業から採用の通知を受領した際の対応についてです。
そこで、以下では内定を保留したい場合の対応法について見ていくことにしましょう。
目次
内定を受け取ってからの流れとは
内定後の流れとは
まず、転職活動においてある企業から内定の通知を受けた場合にどういった流れになるのかを知っておくことはその後の対応を考える際に有効です。
一般的には、内定連絡後に雇用契約の条件が先方から提示されることになるため、その内容を自分で確認して承諾できるかどうかを検討することになります。
そのため、内定が出たからといって即決する必要はなく、一定期間は検討するための時間があると思って良いでしょう。
もっとも、この期間は明確に定まっているわけではありません。
企業によっては期限を切って回答を求めてくる場合もありますが、あくまでも例外的なケースであると言えるでしょう。
内定の回答期限
もっとも、企業側もいたずらに採用活動に時間をかけることは望んでいないはずです。
通常であれば一週間以内には諾否の回答を送るのがマナーであるとされています。
そのため、複数の企業を受けている場合に、二社目の結果が出るのが一社目から内定を受領して一週間以内であれば問題ないのですが、それ以降になるようであればその結果を見極めるべきかどうかを決めなければなりません。
一社目が本命であれば悩む必要なく内定を受領して問題ありませんが、二社目の方が志望度が高かったり、より好条件を提示されていたりする場合であれば、内定の回答を何とかして待ってもらえないかを検討することが必要となります。
内定を保留したい場合の進め方
保留する場合の注意点
ここで重要なことは、本気で入社する意思がないと思われることは避けなければならないということです。
企業側として本当に自社で活躍したいと考えている人材を採用したいはずですので、もしその条件を満たしていないと見做された場合には最悪内定を取り消されてしまうかもしれないためです。
そのことを踏まえた上で、内定を保留したい場合に企業側に知らせるべき事項があります。
それは、入社したいという意思、なぜ保留するのかという理由、そして諾否の返事ができる大まかな目途の3つです。
各項目の詳細
一つ目の入社したい意思については、先方に対して相手方に対する強い思いを伝えるとともに、面接時に話した気持ちに嘘偽りがないことを示すために重要なことです。
また、二つ目の保留理由については、他社の選考が残っているからということであればあえて隠す必要はありませんが、前述のとおり他社の方が志望度が高いと思われることは避けるべきですので、そのようなことをほのめかすことはやめた方が良いでしょう。
さらに、三つ目の回答の目途は、先方の採用担当者に保留を認めてもらうためには必要不可欠ですし、ビジネスマンとして最低限のマナーを有していることを間接的に伝えることにも繋がります。
保留にかかるリスク
転職活動において内定を保留する場合には、リスクを伴うということを理解しておく必要があります。
すなわち、保留とはいえせっかく出された内定に対してネガティブな反応を示すことには変わりないため、企業側からの印象は大なり小なり悪くなることは避けられません。
また、企業側に採用を遅らせることができないという事情がある場合には、保留したことをもって内定を取り消されてしまうという可能性もゼロではありません。
リスクを避けるには
最悪内定がなくなっても仕方ないと考えている場合は別として、そうでなければ万が一保留して内定を取り消されるようなことがないかを先方の採用担当者に一言確認してみるというのも重要です。
転職活動においてはエージェントを使うことが一般的ですので、自分では確認しにくいという場合は、エージェント経由で質問してみると良いでしょう。
保留すべきではないケース
やってはいけないこと
もっともやってはいけないこととしては、一度入社の意思を伝えた後に気が変わって保留させてほしいと言い出すことです。
これは、企業側に多大な迷惑をかけることはもちろんのこと、簡単に前言を翻す人物とみなされることになるため、自らの信用度を著しく下げることに繋がります。
そのため、仮に保留が受け入れられたとしても、その後に保留した企業に入社することになった場合にネガティブな評価を受けることになりかねません。
例外もある
どうしてもやむを得ない事情があるということであれば、採用担当者に状況を正直に説明して理解を求めるということは不可能ではありません。
むやみに前言を翻すのは禁物ですが、合理的に説明できるという場合には、まずは口頭などで感触を探ってみても良いでしょう。
内定保留についてのまとめ
内定を保留することは可能ですが、それには少なからずリスクを伴います。
そのため、重要なことはリスクの大きさをしっかりと見極めた上で、それでも保留するだけのリターンが期待できるかを確認することです。
このことはビジネスにおける様々な選択の場面でも同様ですので、内定を保留するかはビジネスマンとしての力量が試されるシーンということができるでしょう。